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\mission!/ブーム到来の「日本刀」!技術力の高い骨董の店を引き継ぐ
光を反射して輝く刀剣は妖しい美しさを放つ。 「これは鎌倉時代のものです。そして、ここが私が手掛けている鎺(ハバキ)という部分」。店主の宮本文章さん(74)が手慣れた所作で、扱いながら説明してくれる。 宮本さんがこの世界に入ったのは、約50年前。大学を中退後、刀剣の売買を行っていた父の仕事を手伝うようになってからだ。もともと手先が器用で細工することが好きだったこともあり、刀剣を作るという特殊技術の世界にすんなりと入っていった。 宮本さんは専門用語で「白銀師(しろがねし)」と呼ばれる。刀剣に使われている金属製の部品を制作する特殊技術を持つ人の呼び名だ。部品はハバキや縁頭(ふちがしら)、目貫(めぬき)などがあり、特にハバキは重要な部材。刀身の手元の部分に嵌める金具で、刀と鞘が不必要な時に離れるのを防ぎ、鞘の中で刀身を浮かせたまま支える役割を持つ。このハバキを制作できる白銀師は、数少なく、宮本さんによると、四国には2人しかいないそうだ。 宮本さんが引き継いでもらいたいのは、この白銀師としての伝統技術。対象の刀剣を見て、銅板の地金から必要なサイズを切り出す。そして、幾種類もの道具を駆使して、ほぼ手作業で成型していく。「習得するには3年ほどはかかる」(宮本さん)そう。このため、細工仕事が好きで熱意がある人、そして、何よりも刀剣が好きな人を求めている。ただ、「雇用」はできないので、「一日数時間ずつ無償で教えるので、3年ぐらい研修に通って欲しい」という。 時代は今、空前の刀剣ブームと言われている。刀剣の「推し活」に励む人々は多く、コロナ明けから大挙訪日している外国人観光客の中にも刀剣の魅力にハマる人々は数多い。この流れは衰える兆しはなさそうで、白銀師などの伝統技術は、今後も重宝される可能性は高いだろう。土佐の高知の白銀師は、「我こそは」という熱意ある刀剣ファンを求めている。 ・事業内容: 刀剣の売買、修繕を中心とした古美術商 ・引継条件: 相談の上決定いたします ・引継詳細: 日本刀制作・修繕の伝統技術、工具類一式、顧客・取引先、地元での知名度など
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オーナー 宮本さん へのインタビュー
———— 創業のきっかけは? 神戸の大学に進学したんだけど、学生運動が盛んな時代で授業が全く受けられなかった。それで、「こんなとこに、おれるか」と地元に帰ってきたんですよ。父が刀剣の売買を家業にしていたこともあって、自然な流れでこの世界に入りましたね。 ———— 特殊な技術ですが、最も神経を使うのはどこですか ハバキは刀身の下部に嵌めこむんですが、その刃区(はまち)部分が最も薄い。そこに嵌めこむ時に、刀身を傷つけて刃こぼれを起こしてしまうと大変なことになる。この作業の際には、気を使いますね。これはミリ単位ではなくて、さらに上のミクロン単位の手仕事。口で言っても習得できません。実際に手掛けないとね。 ———— 今までに売買した刀剣で最も高いのは? かなり昔ですが、一振り1,500万円を売ったことがあります。今はそんなものは滅多に出てきませんけど。だけど、鎌倉時代などの昔の太刀に出会うこともありますよ。ちなみに、鎌倉時代の刀は「太刀」と呼び、江戸時代の刀は「打刀」と呼びます。実は、腰へのつけ方が真逆で、形状が全く違うんですよ。 ———— どんな人に継いでもらいたいですか 大前提として、刀剣が好きな人。そして、細かい手仕事をする集中力がある人、修業期間を続けられる熱意がある人に来てもらいたいですね。雇用して教えるほど余裕はないので、「無償でマンツーマン指導をする形」にしたいと思います。性別に関係なくできる仕事だと思いますので、男女は問いません。 ———— 将来的に白銀師の仕事には需要があると思いますか それは、大丈夫だと思います。刀剣ブームは一過性ではないと考えています。世界的に見ても、新しいファンがどんどん流入してきています。未来に残る仕事、残さなければならない仕事だと確信しています。 ---------------------- 【継業への取り組みについて】 「地元のためにお店を続けたいが後継者がいない」 「高齢になってしまって事業継続が難しい」 地域の生活を支えてきた中小企業や商店では、こういった理由から、事業縮小や廃業を余儀なくされるケースが後を絶ちません。 一方で、働き方が多様化する今、県外からのUターン者や移住者が過疎地域に住まい、ゼロから起業をするより圧倒的にコストが抑えられる、”なりわい”を活かした「事業承継」や「継業」といった働き方がひそかに注目を集めています。店舗そのものや機材設備などの初期費用一式を抑えられるほか、一定の顧客や販路、技術までもそのまま引き継げるとして、地方暮らしを目指す若者や移住者にとって新たなビジネスチャンスといえます。 「事業承継」「継業」とは、地域で生まれた”なりわい”を引き継ぎつつ、第三者の新たな感性と価値観でそのものの価値を見出し、再活性化して、地域で継続できるなりわいを営むことです。 ぜひ引き継ぎたい!と思われましたら、高知県移住ポータルサイト「高知家で暮らす。」にアクセス! ▼【南国市】刀剣の世界へ飛び込んでみないか!「古美術 宮本」が後継者募集 https://kochi-iju.jp/work/recommend/details_1612.html
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