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【移住インタビュー】(Vol 05)教育移住が起こり廃校だった校舎が250人もの子どもが通うまでに——大日向小学校・中学校校長へインタビュー。子どもが本来備えている学ぶ力を認め主体性を育む教育⑤

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投稿日:2026/5/28 更新日:2026/5/28
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    Vol.01はこちらhttps://pitamachi.com/municipality/topics/5170
    vol.02はこちらhttps://pitamachi.com/municipality/topics/5270
    vol.03はこちらhttps://pitamachi.com/municipality/topics/5315
    vol.04はこちらhttps://pitamachi.com/municipality/topics/5361
    
    (久保)はっきりと重視してます。子どもたちに年2回通知表を渡しますけども、国語、算数とか教科の形では渡してないんですよ。一番が社会性、次がワールドオリエンテーション、次が身体的活動、表現的活動、そして言葉、数。非認知能力の成長を一番大切にしていることの表明です。教科の枠組みに縛られない評価を出しているんです。
    社会性では、コミュニケーションの力だったり、友達との協働の様子だったり、リーダーシップや課題にどう向き合っているかなどを記述します。担任の先生が生活の中で見取ったことを文章にして、こういうところでの発達が見られたっていうように表現しています。
    小学校の低学年期は、自分をコントロールする力、自分をメタ認知する力をつけていくことはすごく大事だと思いますね。
    
    ――中学校の卒業生の進路はどうなっていますか?
    (青山)地元の高校に行く子もいれば、県外の高校、高専を選ぶような子も何人かいます。今のところ全員が高校進学してますね。去年の卒業生でいうと、北海道まで行った子もいます。「この学校、面白いことやってる」って自分で見つけ出してきて。
    (久保)自分で自分の学びをちゃんと管理してきた子たちなので、自分の偏差値や学力で選ばれるんじゃなくて、自分がやりたいことや、どう生きていきたいかをちゃんと自分の言葉で表現して、自分の進路を決めていく。自分で決めて、そのための準備をしていくのをスタッフが支えるっていう感じです。

    天井も床も、木がふんだんに使われている

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    ――小学校卒業生の進路は?
    (久保)一番多いのは大日向中学校への内部進学ですね。今年は32人中26人が上がります。6人は公立の学校に進みます。
     
    ――入学で移住を検討している方へのサポートはありますか?
    (久保)説明会を年4回やってます。オンラインなので参加しやすいこともあり、年間500人ぐらいの方が参加してくれます。大日向小学校の概要や、大切にすることを説明し、カメラを持って校舎を回り、ライブで学校の様子を伝えています。この学校の学び方が合わないという子がいるのも事実です。自律的に学ぶっていうことはそんなに簡単なことではないので、その辺の難しさもちゃんと説明しています。
    それから、「入学移住おうえん隊」っていう保護者のグループがあって、座談会みたいな形で、学校は一切顔出さないんですけど、ぶっちゃけな話、ここに住んでみてどうだったよ、みたいな情報交流をしてもらっています。保護者が移住のハードルを下げてくれていると感じます。
    
    ――ホームページ に、「世界に目を向ける」という言葉がありました。どういう意味ですか?
    (久保)外国のことを勉強しましょうっていう話とは違うんです。本当に大きく言うと「地球市民」であるという視点。自分は、この地球っていうものの中の一つであって、自分が立っている大地も空気も全部地球全体につながっている。自分の行為は隣の人とつながってるし、世界全部とつながっている。その視点を持つということなんです。
    ミクロの小さな世界ですら、世界に目を向けるということ。視点を広く持つ、いろんな視点から見る。そういう意味で、世界に目を向けるなんです。
     
    ――経済を中心とする社会を形成した日本は、経済で得られた実り・富を子どもの教育や養育に還元してこなかった、と言われることがあります。子どもへの投資を、単に福祉の一環ではなく、未来を決める社会基盤政策と捉えたとき、大日向小中学校の取り組みは今の教育構造に一石を投じるものに映りました。
    (久保)経済・・・。さっき出た当事者っていう話、受け身じゃないっていう話も、まさしくそこはそれですよね。 私は30年目で壁にぶつかったと言いましたが、いい先生がいて子どもたちをお客さんにして、いい学校に運んでそこで生きていく。それって、子どもたちが自分で何かを作り出すんじゃなくて、消費者にすることなのではないかという壁でした。どこかにいいものがないかなと、お金の力で享受して、自分にとって不利益なものは切り捨てるっていう、突き詰めると「自分さえ良ければいい」みたいな思考を育ててしまうと思えたんです。
    
    でも、この学校で私たちがやっているのは決してそうじゃないです。自分と地球がつながっているように、自分と隣の人はつながっていて、みんなが心地よい世の中を作っていく。それは誰かが作るんじゃなくて、自分たちが作るんだっていうその発想、そこをしっかり子どもたちが身につけて世の中に出ていってくれると、きっと不確かな多様性の時代を切り拓いていける大人になってくれると思っています。
    人との関係性、自分が当事者なんだっていうこと、誰かのせいなんかじゃないっていうことを、ここの学びを通して体感として身につけていってほしいですね。
    社会を作るのは人であって、どんな社会を目指すのかを考えたときに、どんな人を育てる教育を行うのかは、その社会にとってとても重要なことなのだと改めて思います。
    
    久保校長、青山校長、本日はありがとうございました。
    
    取材・作成:小田和賢一

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